私は令和6年2月下旬から6月中旬頃まで、長期入院を経験しました。病名は自己免疫性溶血性貧血という難病で、以前の悪性リンパ腫に続く2度目の発症でした。
長期入院を経験して感じたことを、できるだけ具体的な数字とともにお伝えしたいと思います。
- ① 実際にかかった毎月の医療費(高額療養費制度・指定難病助成制度の話)
- ② 休職中の収入がどうなるか理解しましょう
- ③ 生活防衛資金の重要性
- ④ 医療保険に高いお金を払うか、そのお金を運用するか
の4つについて話をしていきたいと思います。
① 実際にかかった毎月の医療費
毎月の医療費についてです。実際の領収書をもとに、令和6年2月〜6月までまとめました。食事代・差額ベッド代を含んだ自己負担額の合計です。
| 期間 | 入院日数 | 自己負担額 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 2月27日〜2月29日 | 3日間 | 83,669円 | 入院開始 |
| 3月1日〜3月31日 | 31日間 | 149,570円 | — |
| 4月1日〜4月30日 | 30日間 | 142,132円 | — |
| 5月1日〜5月31日 | 31日間 | 83,960円 ▼ | 指定難病助成 適用開始 |
| 6月1日〜6月10日 | 10日間 | 21,940円 | 指定難病助成 適用 |
| 合計 | 約105日間 | 481,271円 | — |
※食事代・差額ベッド代を含む自己負担額の合計です。高額療養費制度・指定難病医療費助成制度適用後の金額です。
4月と5月を比較すると、約6万円の差があることに気づくと思います。
これは、5月から指定難病の医療費助成制度が適用されたことが理由です。
自己免疫性溶血性貧血は国が定める指定難病に該当します。申請・認定を受けることで、毎月の自己負担額に上限が設けられます。私の場合は月2〜3万円程度が上限になりました。
2月〜4月は高額療養費制度のみの適用でしたが、5月以降は指定難病の助成も加わったことで、自己負担額が大幅に下がっています。
申請は早めに動くことが大事です
指定難病と診断されたら、できるだけ早く医療費助成の申請手続きを行いましょう。指定難病の医療費助成は、申請すれば必ず過去の医療費まで対象になるわけではありません。適用開始日は制度や申請状況によって異なるため、診断を受けたら早めに自治体の窓口や保健所に相談することをおすすめします。
私自身、もう少し早く手続きを進めていればよかったと感じました。
食事代・差額ベッド代を含んだ上でのこの金額です。長期入院でも、日本の医療保険制度によってかなり自己負担が抑えられているのだと感じました。
② 休職中の収入がどうなるか理解しましょう
私は幸いにも勤務先の制度により、休職中は基本給の約7割を手当として受け取ることができました。
ただし、休職中の収入や利用できる制度は、勤務先や加入している保険、休職の理由などによって異なります。誰もが同じ割合の収入を受け取れるわけではありません。そもそもそういった制度自体存在しない会社もあるかもしれません。
自分の勤務先では休職中にどのような保障があるのか、事前に確認しておくことをおすすめします。収入の見通しが立てば、必要な生活防衛資金も考えやすくなります。
なお、会社独自の休職手当とは別に、健康保険の傷病手当金などを利用できる場合もあります。自分が対象になる制度を確認しておきましょう。
③ 生活防衛資金の重要性
生活防衛資金とは、病気や失業、急な出費などに備えて、すぐに使える状態で確保しておくお金のことです。
投資資産とは分けて現金などで確保しておけば、株価が下落しているときに、生活費を工面するために投資資産を売却せずに済む可能性が高まります。
病気やケガで収入が減ったり、予想外の出費が発生したりすることもあります。だからこそ、生活防衛資金を確保してから投資を始めることが大切です。
一般的には、生活費の3〜6か月分が目安とされています。ただし、長期入院や休職の可能性、家族構成、勤務先の保障制度などによって必要な金額は異なります。
私自身、約3か月の長期入院を経験しました。こうした経験からも、万が一の事態に備えて、余裕を持った生活防衛資金を準備しておくことが大切だと感じています。
ちなみに、私は生活防衛資金として生活費6ヶ月分を手元に置いています。
④ 医療保険に払うか、運用するか
ここが今回の記事の本題です。
私が現在20歳だったと仮定して、悪性リンパ腫・自己免疫性溶血性貧血の病気にかかることがわかっていたとします。病気にかかる未来が分かっていたとしても、医療保険には加入しないという結論は変わりません。理由を数字で説明します。
毎月1万円の医療保険に加入した場合、1年間で12万円、15年間で180万円の支出になります。
この180万円を医療保険ではなく、平均年利7%の投資信託に積み立てた場合、15年後には約315万円に育ちます。
そして今回の私の入院費用の合計は、481,271円でした。3ヶ月以上の長期入院でこの金額です。高額療養費制度と指定難病助成制度が適用されたこともあり、思っていたより抑えられていました。
15年間の医療保険料(180万円)を運用した場合の想定額(約315万円)と比べれば、3ヶ月以上入院しても481,271円。むしろ運用資産の方が大きな金額になっています。
もちろん、医療保険で安心感を得たいという考え方も否定しません。ただ、「なんとなく入っている」という状態のまま毎月保険料を払い続けることはもったいないと思っています。
日本には高額療養費制度という強力な仕組みがあります。指定難病であればさらに助成制度もあります。これらを前提に、本当に保険が必要かどうか、一度じっくり考えてみてほしいと思います。
ただし、今回の比較だけで「医療保険に入らない方が得」と断言できるわけではありません。
投資には元本割れのリスクがありますし、病気やケガによっては、今回の入院費用を大きく上回る支出が発生する可能性もあります。また、医療保険には、入院費用の負担を軽減し、貯蓄を取り崩さずに済むというメリットもあります。
大切なのは、保険料と保障内容を確認したうえで、公的医療保険や勤務先の保障、自分の貯蓄額なども踏まえて判断することです。
私自身は、約3か月の入院を経験し、実際にかかった費用を確認したことで、医療保険に支払うお金と投資に回すお金について、改めて考えるようになりました。
この記事で紹介した金額は、あくまで私自身の経験と一定の条件に基づくシミュレーションです。保険に加入するかどうかは、それぞれの状況に合わせて検討してみてください。
私の入院経験が、お金の使い方を見直すきっかけの一つになれば嬉しいです。
私が長期入院を経験して感じたことについては、こちらの記事でも詳しく紹介しています。
医療保険が本当に必要なのか、私自身の入院経験をもとに考えた記事はこちらです。

